介護施設向け 外国籍雇用定着率向上のポイント5選
外国籍介護人材の採用が進む一方で、
「採用はできたが、数年以内に辞めてしまう」という課題を抱える介護施設は少なくありません。
定着率を左右するのは、給与以上に受け入れ体制と現場設計です。
ここでは、介護施設が今すぐ取り組むべき、外国籍人材の定着率を高める5つのポイントを解説します。
① 入職前後の「日本の介護文化」ギャップを埋める
外国籍人材が早期離職する大きな理由の一つが、
業務内容そのものよりも「日本独特の介護文化」への戸惑いです。
・曖昧な指示
・空気を読むことを前提としたコミュニケーション
・暗黙のルールの多さ
これらは、日本人同士では問題にならなくても、外国籍人材にとっては大きなストレスになります。
そのため、
・業務手順を言語化・マニュアル化する
・「なぜこの介助が必要なのか」を説明する
といった文化の翻訳が定着率向上に直結します。
② 日本語能力だけに頼らないコミュニケーション設計
「日本語が上手になれば定着する」と考えがちですが、
実際には日本語能力=定着率ではありません。
重要なのは、
・簡単な日本語で話す
・専門用語をかみ砕く
・指示は一度で終わらせず確認する
といった、受け入れる側の工夫です。
外国籍人材が「質問しづらい」「聞き返すと迷惑をかける」と感じてしまう職場では、
ミスが増え、自己肯定感が下がり、結果的に離職につながります。
③ メンター(相談役)を明確に設定する
定着している介護施設の多くが実施しているのが、
外国籍人材専任のメンター制度です。
ポイントは、
・業務指導担当
・生活・人間関係の相談担当
この2つを同一人物にしないことです。
業務評価をする上司には言えない悩みも、
相談役がいることで早期に拾い上げることができます。
「問題が起きてから対応」ではなく、
「問題になる前に気づく」仕組みが定着率を大きく左右します。
④ キャリアの「見える化」を行う
外国籍介護人材は、
「この施設で何年働くと、どうなれるのか」を非常に重視しています。
・資格取得の支援
・特定技能からのステップアップ
・リーダーや指導員への道
こうした将来像を示さないままでは、
「ここで働き続ける理由」を見出せません。
キャリアを提示することは、
モチベーション維持と中長期定着の両方に効果があります。
⑤ 生活面まで含めたサポート体制を整える
介護の仕事そのものよりも、
生活面の不安が離職理由になるケースは非常に多いです。
・住居
・行政手続き
・病院の受診
・家族との連絡手段
これらを「自己責任」にしてしまうと、
孤立感が強まり、離職につながります。
すべてを施設が負担する必要はありませんが、
「相談できる窓口がある」だけでも、定着率は大きく改善します。
まとめ|定着率は「制度」より「現場」で決まる
外国籍介護人材の定着率を高めるために重要なのは、
特別な制度よりも、日々の現場の向き合い方です。
・文化の違いを前提にする
・伝え方を変える
・孤立させない
・将来を示す
これらを実践している介護施設ほど、
外国籍人材が「戦力」ではなく「仲間」として根づいています。
今後、外国籍雇用は介護施設にとって避けられない選択です。
だからこそ、採用以上に定着に目を向けることが、安定運営の鍵となります。